トップ > 診療内容

診療内容

当分野は臨床ではクラウンブリッジ補綴学を担当しています(東北大学病院 咬合修復科)。ここでは当科の外来診療におけるコンセプトを紹介します。

クラウンブリッジ補綴の専門性とは?

 クラウンブリッジ補綴学は、天然歯・インプラントを支台にした固定性補綴装置による歯科治療を考究する学問です。一般的に、少数歯欠損に対してはブリッジあるいはインプラントによる補綴歯科治療が可能ですが、多数の歯が欠損している場合、その治療には可撤性義歯が適用されます。しかしながら、異物感や精神的な理由から可撤性義歯を受け入れることのできない患者は少なくありません。

 当科では、多数歯欠損でありながら可撤性義歯以外の治療を希望される患者に対し、インプラントを含めた固定性補綴装置を用いた治療を提供しています。このように多数歯欠損に対してブリッジ治療を選択すれば、アンテの法則やDuchangeの指標を満たさない症例も出てくるでしょう。これらの法則は保険診療の適応判定基準としては遵守すべきものです。ただし、多くの論文が示しているように、咬合力や歯周組織の観点からブリッジ補綴装置を理解できる専門的な知識と技術があれば、これらの法則は絶対的ではない場合もあります。クラウンブリッジの専門医として咬合力と感染の制御を徹底的に考究した臨床は、“ロングスパンブリッジ”、“短縮歯列”、“接着技術によるカンチレバーブリッジ”等による治療法の選択肢を広げる可能性があるのです。

 また、欠損歯に対してインプラント治療を選択すれば、その補綴治療には生体反応(細胞生物学・免疫学)の理解、咬合理論や補綴装置の材料学的な知識、そしてこれらの知識をベースとした高度な治療技術が要求されます。さらに、近年のクラウンブリッジ補綴学では、CAD/CAM技術を駆使したdigital dentistryや幹細胞を用いた再生歯科医療技術がめざましい発展を遂げています。これら先端技術の開発を進めるにあたっても「感染・咬合力の制御」という概念は必要不可欠です。

 当科では、感染と咬合力の制御、そして歯科材料と生体反応の専門的な知識に基づいたクラウンブリッジ・インプラント補綴治療を専門とし、患者のQOL向上に努めています。

クラウンブリッジの長期安定を獲得するためには?

 クラウンブリッジを長期にわたって安定して口腔内で機能させるためには、感染の管理を適切に行う必要があります。クラウン修復は単にインレー修復の延長にあるものではなく、これ以上の欠損の拡大を防止する目的で行われます。ブリッジ治療も同様に、単に欠損を補う治療ではありません。少数歯欠損から患者と接し、“なぜ歯を失ってしまったのか”との問いから患者教育を介して歯科疾患の本質を理解し、装着したクラウンブリッジが良好な経過を得るためには感染管理が重要であることを、症例を通して学んでいくことが重要です。

当科が専門とする症例

歯周補綴症例

 高度に進行した歯周疾患に対する補綴歯科治療・インプラント治療です。天然歯では感染および力を制御したうえで動揺歯に対して補綴装置を用いて治療を行い、連結固定することで機能と審美を回復することを目的とします。

審美補綴症例

 セラミックなどを用いて、顎口腔の形態美・色彩美・機能美の調和が図られた補綴治療を行っています。

金属アレルギー・メタルフリー症例

 金属アレルギー外来と連携し、ファイバーポストコア、硬質レジンクラウン、オールセラミッククラウン・ブリッジなどを対象としています。

接着ブリッジ症例

 MI(Minimal Intervention)に基づく治療のひとつです。定期的なメインテナンスの中で脱離を生じても二次齲蝕のリスクが小さく、再装着できるメリットがあります。(日本補綴歯科学会ガイドライン参照)

インプラント症例

 遊離端欠損あるいは多数歯の連続した中間欠損症例では通常可撤性義歯を装着しなければいけませんが、インプラント支持補綴装置を適用することで満足度の高い固定性補綴を装着することが可能です。当院のインプラントセンターと連携して主に上部構造に関わる治療を行っています。

短縮歯列症例

 1981年にKayerが提唱した概念で、完全歯列で補綴を終了するのではなく、機能あるいは患者の満足度から特に問題が生じなければ、大臼歯部を補綴治療せずにメインテナンスに移行する治療法です。咬合論の観点から賛否はありますが、近年の研究から症例によっては許容される治療法です。

↑ページトップへ戻る